
第15回目の対策講座の今回は、
【燃焼と消火】の要素 (分類:物理学・化学 #4)
の説明をしていきますので、よろしくお願いします。
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危険物取扱者試験 乙4種対策講座用INDEX
《危険物乙4種 今日のチャレンジ問題》
今回の講座の範囲に捕らわれず、試験に出そうな問題を1題出題します(^o^)
少しずつ問題に慣れていきましょう!
Q.危険物第4類の品名に該当しないものは、下記のうちどれになるか?
1. 第4類石油類
2 特殊引火物
3 ニトロ化合物
4 アルコール類
5 動物食油類
目次
【燃焼の四要素】とは?
熱と光の発生を伴う酸化反応を『燃焼』といい、燃焼が起こるには、【可燃物】【酸素供給体】【点火源】の3つの要素が同時に揃っていないといけない。この要素を【燃焼の三要素】といい、この要素が1つでも欠けていれば燃焼は起こらない。また【燃焼の継続】を加えて【燃焼の四要素】という。
可燃物
可燃物は燃えるもののことで、【可燃性物質】とも呼ばれる。酸化されやすい性質であり、木炭、紙、石炭、ガソリンが例として挙げられる。
危険物の中では、第2類危険物、第3類危険物、第4類危険物、第5類危険物が該当する。
また燃焼では、高温環境で酸素と反応するため、それ以上酸化されない安定した酸化物に変わる。
酸素供給体
燃焼に必要な酸素を与える物質のことを【酸素供給体】という。燃焼を支える性質を持つことから、【支燃物】とも呼ばれ、次のような物質がある。
・空気中の酸素(酸素濃度20%)
・酸化剤中の酸素 (第1類危険物、第6類危険物)
・可燃物中の酸素 (第5類危険物/自己反応性物質)
また酸素があるから燃焼するということではなく、必要な酸素濃度が存在する。この酸素の濃度のことを【限界酸素濃度(%)】という。
空気の場合、酸素濃度を14~15%以下にすると燃焼はしない。
点火源(熱源)
可燃物と酸素供給体を燃焼を起こすのに必要な着火エネルギー/点火エネルギー/熱エネルギーのことある。
マッチの火などの火気全般や電気・静電気・摩擦・衝突・酸化熱など、身近にある様々なものが点火源に含まれる。
但し熱は熱でも「気化熱」「凝固熱」や「融解熱」などの物理変化に伴う熱は点火源にならない。
燃焼の継続
燃焼が継続していくためには、連続した酸化反応が必要である。酸化の連鎖反応のことを【燃焼の継続】という。
【消火の四要素】とは?
消火とは、燃焼を止めることをいい、1項で記載したように、モノが燃える条件は、可燃物・酸素供給体・点火源(熱源)・燃焼の継続の4つ要素が揃った場合であり、燃焼の4要素のうち1つでも欠けると火は鎮火する。この性質を利用して、消火器には「燃焼の4要素」のいずれかを取り除く消火薬剤が含まれている。
この「燃焼の4要素」を取り除く4つの方法【除去消火法】【窒息消火法】【冷却消火法】【抑制消火法】を【消火の4要素】と呼ぶ。
除去消火法
周囲の可燃物を取り除いたり、可燃性物質(可燃物)の共有をストップさせて燃焼を止める消火法で、つまり燃焼するもの自体をなくしてしまう消火方法のことをいう。
窒息消火法
燃えているものへの酸素(空気)の供給を遮断して消火する方法である。
可燃性物質を泡消火剤などで覆うことにより空気との接触を遮断する。泡消火剤は、一般的なものと水溶性液体用(耐アルコール泡消火剤)の2種類があり、水溶性液体用のものは、アルコールやアセトンなどの可燃性液体に用いる。これらの液体の火災に、一般の泡消火剤では泡が消えてしまうため効果がありません。また、不燃性の気体やガスで空間を満たすことによってもこの消火法もある。
例)アルコールランプにキャップをかぶせて消火させる。
窒息法で注意したいのは、火を消したあとで再燃焼する可能性があるため、しっかり熱を奪い切った後に、窒息状態を解く必要がある。粉末や泡、二酸化炭素ガスなどが含まれた消火器には、酸素の供給を遮断する効果がある。
冷却消火法
燃えているものに、水タイプの消火剤をかけることで熱を奪い、冷却して燃焼物を発火点以下に下げることで消火をする方法である。
例)木造住宅の火災に注水消火を行う。
抑制消火法
物質が燃えると、連鎖的に化学反応が起こり、燃え広がっていく。その化学的連鎖反応を中断させる消火法である。霧状の強化液や、粉末系の消火器には、この負触媒消火(抑制消火)の効果がある。

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