私のハヤブサ、実はカナダ仕様だった!

〜VINナンバーで判明した愛車の素性〜

2026年5月1日

ふとした好奇心から、今日は自分のハヤブサについてじっくり調べてみた。乗り始めてから「逆輸入車らしい」とは聞いていたけど、どこの国から来たのかは曖昧なまま。それが今日、VINナンバーという小さなプレート一枚で、あっさり判明してしまった。

結論から言うと、私のハヤブサは「カナダ仕様」だった。オーストラリアかヨーロッパかと思っていたので、正直ちょっと意外だった。

まずは2008年ハヤブサのカラーラインナップを調べた

調査のきっかけは、自分のバイクのカラーを調べようとしたこと。私のハヤブサはパールホワイトにレッドのグラフィックが入った、いかにも「速そう」な配色だ。

2008年モデル(開発コードK8)は2代目ハヤブサのデビュー年にあたる。カラーラインナップは全部で4色。

① Pearl Mirage White × Metallic Mistic Silver(EAH)

② Candy Max Orange × Pearl Nebular Black(EAJ)— 一部国で限定色

③ Candy Indy Blue × Pearl Nebular Black(EAK)

④ Metallic Phantom Gray × Pearl Nebular Black(CZY)

私のバイクはこの①番、Pearl Mirage White(パールミラージュホワイト)に相当する。ホワイトベースにレッドのグラフィックが走るこのカラーは、2代目ハヤブサのデビューカラーの中でも特に人気が高かったらしい。

ホワイトはアメリカでは売られていなかった

ここで興味深い事実がわかった。このパールホワイトは、実はアメリカ市場では販売されなかったカラーなのだ。

当時のハヤブサオーナーズフォーラムの記録を見ると、「ホワイトはアメリカでは買えない。ヨーロッパかオーストラリアで手に入れるしかない」という書き込みが残っている。オーストラリアでは限定150台として正式発売され、1台ごとにフレームプリント付きという特別仕様だったようだ。

「じゃあ私のはオーストラリア仕様か?」と思ったのだが、VINナンバーを調べると話は違った。

VINナンバーで一発判明!カナダ仕様だった

VINナンバーとは、バイクに刻まれた車両識別番号のこと。足元左側のカウル内側にプレートが張り付けられていた。

するとそこには、こんな表記があった。

「This spark ignition system complies with Canadian ICES-002.」

「Ce système d’allumage par étincelle de véhicule est conforme à la norme NMB-002 du Canada.」

英語とフランス語の2言語表記。カナダは英語圏と仏語圏が共存する国なので、法律上すべての製品に両言語での記載が義務付けられている。さらに「CANADA」の認証マークまで刻印されている。

VINの詳細も確認できた。「JS1GX72A9821****」という番号で、製造は2007年9月(MFD 09/07)。つまり2007年秋に製造され、2008年モデルとして販売されたということだ。

まさか北米でも「カナダ」だとは思っていなかった。アメリカでは売られていなかったホワイトカラーが、なぜかお隣カナダでは販売されていたのだ。面白い。

当時の新車価格はいくらだったのか

ここまで来たら当然、「当時いくらだったんだろう」という疑問が湧いてくる。

アメリカでの2008年ハヤブサの新車価格(MSRP)は$11,999 USD。カナダ仕様は若干の差異があるが、おおむね近い水準だったと考えられる。

2008年といえば、9月にアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻した「リーマンショック」の年だ。世界中の金融市場が連鎖的に混乱し、日本でも株価の暴落や急激な円高が進んだ。バイク好きにとっては「ハヤブサ2代目デビューの年」だが、世間的には激動の一年として記憶されている。当然ドル円レートも大きく変動し、年初は約110円だったのが年末には88円近くまで急落している。年間平均はおよそ103円前後。

ハヤブサが製造された2007年9月〜販売された2008年初頭の時期は、1ドル=105〜110円ほどで推移していた。この為替レートで計算すると、車両本体の相当額は約126万〜132万円。

これに逆輸入費用(通関・輸送・国内登録・整備など)が20〜30万円程度上乗せされるので、当時の日本での販売価格はおそらく150〜160万円前後だったと推測される。

今となっては「そんな値段で買えたのか」という気持ちもあるが、2008年当時の150万円はなかなかの金額だ。誰かがカナダから大切に持ち込んだバイクが、今こうして私の手元にある。

ついでに、同時期の国産ライバル車の価格も調べてみた。当時の大型スポーツバイク市場はとても賑やかだった。

まず最大のライバル、カワサキのZZR1400。2006年に登場し、ハヤブサの最高速の座を奪うべく開発されたメガスポーツだ。2008年型はマイナーチェンジを受けてユーロ3排出ガス規制をクリアし、最高出力も190馬力に向上。国内逆輸入車の販売価格はおよそ150万円前後で、ハヤブサとほぼ同じ価格帯で張り合っていた。「世界最速」をめぐるスズキとカワサキのライバル関係は、当時のバイク雑誌を毎号賑わせていたものだ。

ホンダはCBR1000RR(SC59)が2008年7月にフルモデルチェンジ。MotoGPマシンRC212Vの技術を惜しみなくフィードバックした1000ccスーパースポーツで、国内価格は約139万円。サーキット志向の純粋なスポーツモデルという位置づけで、ハヤブサのようなメガスポーツ系とはやや方向性が異なる。

ヤマハのYZF-R1は2007年にフルモデルチェンジし、2008年もそのモデルが継続販売されていた。クロスプレーン型クランクを採用したエンジンが話題を呼び、国内価格は約165万円(逆輸入車)。サーキットでの戦闘力に特化した攻撃的なモデルで、こちらもまたカテゴリーが少し違う。

こうして並べてみると、ハヤブサの逆輸入車150〜160万円という価格は、国産ライバル勢と比べても決して飛び抜けて高いわけではなかった。「世界最速」というブランド価値を考えれば、むしろコストパフォーマンスが高かったとも言える。もっとも、2008年といえば世の中がリーマンショックに揺れていた時代。高価なバイクを購入するには、それなりの覚悟が必要な年でもあった。

まとめ:愛車の素性がわかった一日

今日一日でわかったことをまとめると、

・私のハヤブサは2008年式2代目(K8)、カラーはPearl Mirage White × Metallic Mistic Silver

・このホワイトカラーはアメリカでは非売品。カナダやヨーロッパ、オーストラリアで流通していた

・VINプレートの2言語表記(英語・フランス語)とCANADA認証マークから、カナダ仕様と確定

・VIN番号はJS1GX72A9821****、製造は2007年9月

・当時の日本での逆輸入車価格はおそらく150〜160万円前後

自分のバイクについて、今まで「なんとなく逆輸入」としか認識していなかったけど、ここまで詳しくわかると愛着がより一層深まる気がする。

カナダのどこかのディーラーで新車として並んでいたこのバイクが、誰かの手を経て海を渡り、今こうして私のガレージに収まっているわけだ。バイクにも旅の歴史がある。

次のツーリングが楽しみになってきた。

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