バイクに乗り始めたのが47歳のとき。
周りからは「今さら?」という顔をされた。家族にも心配された。でも俺には、はっきりとした理由があった。**50歳になる前に乗らなければ、もう一生乗れない**という確信があったからだ。
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## 47歳で中型免許を取った理由
きっかけは単純だった。ずっとバイクに乗りたかった。若い頃から憧れはあったが、仕事、家庭、時間、お金——いつも何かが理由で後回しにしてきた。気づけば40代後半になっていた。
そんなとき、ふと調べて知ったことがある。**教習所の料金が50歳から上がる**のだ。多くの教習所では50歳以上になると料金が割増になる仕組みがある。「今のうちに取っておかないと損だ」という、ある意味ケチな動機もあった。
でも本音を言えば、それは背中を押してくれた最後のひと押しに過ぎなかった。本当の理由はもっとシンプルで、**このタイミングを逃したら、体力的にも時間的にも、もう無理だ**という直感だった。
47歳で中型免許を取得した。教習所では自分より一回り以上若い教習生に混じって、毎週末通い続けた。転びそうになりながら一本橋を渡り、クランクで何度もパイロンに引っかかった。恥ずかしいとか、みっともないとか、そういう感情はどこかに置いてきた。とにかく楽しかった。
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## Z400との2年間
中型免許を取ってすぐ買ったのが、カワサキのZ400、2020年式のオレンジだ。
鮮やかなオレンジカラーが一目で気に入った。軽くて扱いやすく、バイクの楽しさをすべて教えてくれた一台だった。週末になれば近所を走り回り、気づけば少しずつ遠出するようになっていた。
Z400に乗りながら、ずっと頭の片隅にあったのが**大型免許**だ。中型で走れば走るほど、「もっと大きなエンジンで、もっと遠くへ」という気持ちが膨らんでいった。
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## 49歳で大型免許を取った理由
中型を取って2年後、49歳で大型免許の教習所に通い始めた。
タイミングにはもう一つ理由があった。**体力の問題**だ。
大型バイクは重い。CB750やハヤブサクラスになると車両重量は200kgを超える。取り回し、引き起こし、低速でのバランス——これらはすべて体力と筋力が必要だ。40代後半でも今ならまだ何とかなる。でも50代、60代になったとき、果たして同じことができるかどうか。
「乗りたいなら今だ」という気持ちは、年齢を重ねるごとに確信に変わっていた。
大型教習では750ccの教習車に何度も泣かされた。重い。とにかく重い。発進のたびにふらつき、Uターンのたびにヒヤリとした。それでも去年の夏、大型免許を手にした。49歳のことだ。
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## なぜハヤブサだったのか
大型免許を取ったとき、正直どのバイクにするか迷った。
CB650R、MT-07、Z900——どれも完成度が高く、大型入門として申し分ない選択肢だ。でも気づけばいつも、ハヤブサの画像を検索している自分がいた。
**ハヤブサは遠くから見てもハヤブサだとわかる。**
これが全てだった。
あのシルエットは唯一無二だ。丸みを帯びた独特のカウル、ずんぐりとした重厚なボディ、そして見た瞬間に「ああ、ハヤブサだ」とわかる存在感。世界中に無数のバイクがあるが、シルエットだけで車種が特定できるバイクはそう多くない。
初めてまたがったとき、正直怖かった。Z400とはまるで別の乗り物だ。でも同時に「これだ」という感覚があった。長年憧れていたバイクが、今自分のガレージにある。それだけで十分だと思った。
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## メガスポーツに乗るなら今が最後のチャンス
47歳で中型、49歳で大型。我ながら遅いスタートだと思う。
でも後悔はまったくない。むしろ**今だからこそ、ハヤブサに乗る意味がある**と思っている。
若い頃は無茶ができる。でも40代後半になると、リスクの取り方が変わる。速度への無謀な欲求より、走ることそのものの楽しさが前に出てくる。ハヤブサの197psを持て余しながらも、自分のペースで走ることの気持ちよさ。それが今の俺にはちょうどいい。
体力的な限界は、確実に近づいている。200kg超えのバイクを扱えるのは、おそらくあと何年かだろう。だからこそ今、思いっきり走っておきたい。行ったことのない道を走り、見たことのない景色を見ておきたい。
「今じゃなければ、もう乗れない」
あのとき感じた直感は、正しかったと今でも思っている。
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## さいごに
47歳で免許を取ろうと思っている人、49歳で大型に挑戦しようか迷っている人——背中を押せるとしたら、俺の経験が少しでも参考になれば嬉しい。
遅すぎることなんてない。でも、先延ばしにできる時間も、そう長くはない。
ハヤブサのエンジンをかけるたびに、あのときの決断は間違っていなかったと思う。
**— さぶろう**
49歳でハヤブサに乗る理由。今じゃなければ、もう乗れない。
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