
乙4講座のほうには、『法令』『物理・化学』の分野の講座がありますので、下記にあるINDEXからご確認ください。
第4回目の対策講座の今回は、
【硝酸の性状】(分類:乙6類)
の説明をしていきますので、よろしくお願いします。
Coming soon!
危険物取扱者試験 乙4種対策講座用INDEX
|
目次
硝酸の性状・特徴
・化学式:HNO3
・比重:1.5 (1 以上 (共通性質)) 融点:-42℃ 沸点:86℃
・指定数量:300kg(共通性質)
・不燃性である。(共通性質)
・無機化合物である。(共通性質)
・無色の液体である。(共通性質)
※日光や加熱により黄褐色になる。
・揮発性がある。
・強酸性である。(濃硝酸60%)
・酸化作用を持つ(酸化剤)
・水に溶ける。
・水溶液は強酸性で、金属の酸化物や水酸化物と反応して、硝酸塩を生じる。
・粘性がある。
・日光や加熱により分解して無色→黄褐色になって、酸素と二酸化窒素(有毒)が発生する
4HNO3→2H2O+4NO2+O2
※常温でも多少分解する。また分解時に黄褐色に変色する。
・湿気を含む空気中で褐色に発煙する。
・イオン化傾向の小さい銅、水銀、銀を腐食させる。
・硫黄やリンと反応して、硝酸やリン酸になる。
・下記と混合すると、発火、または爆発する。
①二硫化炭素
②アルコール
③アミン類
④ヒドラジン
⑤アンモニア
⑥有機物(のこくず、かんなくず、木毛、木片、紙、布など)
⑦金属(粉)
・紙・布などの有機物と接触し、発火することがある。
・腐食作用が強いため、生体に触れると薬傷(やくしょう)を生じる。
・98%以上の濃度の硝酸水溶液を発煙硝酸という。濃硝酸に二酸化窒素を加圧飽和させて生成される。
⇨性状は硝酸と同じ。赤色、赤褐色の液体で、酸化力は硝酸より強い。(硝酸<発煙硝酸)
・希硝酸(濃度が低い)と濃硝酸(濃度が高い)の特徴の違い
特性 | 希硝酸 | 濃硝酸 |
酸性 | 強い | 弱い |
酸化力 | 弱い | 強い |
不動態 | 作らない | 作る |
★濃硝酸が弱酸になるのは、水溶液中に含まれている水が少なく電離できる硝酸分子の量が少なくなるため
★希硝酸と濃硝酸の濃度の区分けは明確ではないが、一般に20~30%を希硝酸、60~70%以上を濃硝酸と呼ばれることが多い。
硝酸の取扱いと貯蔵
・ステンレス製やアルミニウム製(濃硝酸のみ(※))、耐酸性の褐色のガラスビン(日光に反応しないように)の容器に貯蔵する。
※アルミニウム、鉄、ニッケルやステンレス鋼に含まれるクロムなどの金属は、希硝酸とは激しく反応する(腐食する)が、濃硝酸には溶解しない。濃硝酸の強い酸化力により、これらの金属の表面に化学的に安定な酸化皮膜が生じ、酸化がそれ以上進行しなくなる。(⇨不動態皮膜を作る)
・直射日光を避け、冷暗所に貯蔵する。
・換気がよく湿気が少ない場所に貯蔵する。
・可燃物との接触を避ける。
・容器は密栓する。
硝酸の消火方法
・硝酸自体が燃焼しないので、燃焼物に応じた消火方法が適切となる。
硝酸の流出時の対応方法
・乾燥砂で流出を防ぎ、吸着させて除去する。
・水による希釈
・消石灰・ソーダ灰で中和
※防毒マスク等を着用し、風上で作業を行うこと!

下の講義内容も是非ご覧下さい!!
関連
危険物乙6 次回の講義内容(第3回)
関連
危険物乙6 次回の講義内容(第5回)