
第4回目の対策講座の今回は、
『ボイル・シャルルの法則』とは?(分類:化学 #1)
の説明をしていきます。気体の状態を決める3つの値として、《温度:T(Temperature》《圧力:P(Pressure)》《体積:V(Volume)》があります。この3つの関係性を元に説明していきますので、よろしくお願いします。
目次
体積と圧力の関係-【ボイルの法則】
容器内の気体の圧力が1気圧であるとの体積が6リットルとします。温度が一定状態のまま圧力を2倍(2気圧)にすると、体積は半分の3リットルになります。3倍(3気圧)にすると、体積は3分の1の2リットルになります。逆に圧力を半分にすると体積は2倍になります。
このように温度が一定の場合は、一定質量の気体の体積は圧力に反比例します。これを『ボイルの法則』といいます。
温度質量が一定の状態で、体積がV1 、圧力がP1の気体を、体積がV2、圧力がP2に変化する時には下記の式が成立します。
従って、気体の圧力をP、体積をVとするとき、気体と圧力の関係式は下記の式で表すことができます。
P・V=k (kは定数)
ボイルの法則のように、気体の温度が一定で圧力や体積が変化することを等温変化といいます。
体積と温度の関係-【シャルルの法則】
気体の圧力が一定の場合、気体は温度の変化で体積が一定の割合で変化します。
0℃の時の体積をV0、温度がt℃に上昇したときの体積をVとすると
気体の体積は、t℃に273を加えた温度に比例します。
従って、この気体が-273℃で液体や固体にならない場合は、体積は0となります。この温度は理論上最低温度であり、この-273℃の温度を0℃とした温度を絶対温度(K:ケルビン)といい、この関係式は
K=273℃+t℃ (例:27℃の場合は、300K)
で表され、気体の体積は、圧力が一定であれば絶対温度に比例します。これを『シャルルの法則』といいます。
→一定質量の気体の体積は、温度が1℃上昇すると、0℃のときの体積の約1/273ずつ増加します。また気体は温度が下がるにつれて、縮小することが知られていますが、気体の体積は、絶対温度(-273℃)では理論上では0になります。
一定の圧力のもとで、気体の絶対温度をT1、その時の体積をV1とするとき、絶対温度がY2に変化したときの体積をV2とすると下記の式で表すことができます。
従って、気体の絶対温度をT、体積をVとすると
V=kT
の関係式が成立します。
シャルルの法則のように、気体の圧力が一定で温度や体積が変化することを定圧変化といいます。
体積と圧力と温度の関係-【ボイル・シャルルの法則】
上記で説明した『ボイルの法則』と『シャルルの法則』をまとめると、気体の体積は圧力に反比例し、絶対温度に比例することになります。
これを2つの法則をまとめて【ボイル・シャルルの法則】といいます。
圧力がP1、体積がV1、絶対温度がT1である気体が、圧力がP2、体積がV2、絶対温度がT2に変化すると
従って、圧力をP、体積をVとし、絶対温度をTとすると
の式で表すことができます。PとVについては、両辺が揃っていれば単位は何でも構いません。
ボイル・シャルルの法則は、理想的な気体においてしか成り立ちません。分子に大きさが無く、分子間力も無い、絶対零度 0ケルビン において体積が 0 になるといった気体です。このような気体を理想気体(完全気体)といいます。逆に現実の気体は、分子には大きさがあり、また分子間力があるため、厳密にはボイル・シャルルの法則は成り立ちません。このような気体を実在気体といいます。なお実在気体では、分子間の位置エネルギーが無視できる範囲,つまり高温,低圧の状態が理想気体に近い状態であるので、理想気体と同じとみなしたりします。
圧力と温度の関係
気体の体積が一定である場合、圧力と温度の関係式
から
であるため、
で表すことができます。
気体の圧力は絶対温度に比例します。

下の講義内容も是非ご覧下さい!!
関連
危険物乙4 前回の講義内容(第3回)
【スキルアップ-危険物乙4】『消防法における危険物とは?』_第3回
関連
危険物乙4 次回の講義内容(第5回)